河口浅間神社だより 第25-3号 平成25年
7月28日 太々神楽祭(おだいだい)
 太々神楽祭では稚児の舞が奉納されます。貞観6年(864)の富士山の大噴火により、富士山周辺一体は大きな被害を受けました。この噴火を鎮めた祭神、木花咲耶姫の御神霊をお慰めする例祭で、稚児の舞が奉納され、奉謝鎮祭とも言われます。稚児の舞は7歳から12歳までのお稚児さんにより、「御幣の舞」「扇の舞」「剣の舞」「八方の舞」「宮めぐりの舞Jが奉納されます。
衣装は白衣の上に緋の千早と差褪祓をまとい、錦織の陣羽織、緋の襷をかけ、頭には誠を俸げる熨斗紙を水引で付け、瓔珞を頭に戴き、清浄の姿に整えた上で神前に奉納されます。
「記録作成等の措置を講すべき無形の民俗文化財J の選択
 河口の稚児の舞は昭和35年に山梨県指定無形文化財の指定を受けていますが、平成25年3月12日、文化庁こよる「記録作成等の措置を講すべき無形の民俗文化財」の選択を受けました。今後文化庁による調査および記録が行われますが、河口の稚児の舞がわが国の文化財として着目されたことは喜ばしいことです。

7月31日浅間神社の身曽岐祭
 身曽岐とは心身ともに洗い清めることで大祓の行事です。河口浅間神社の身曽岐祭は他の禊祭とは異なります。
 男性は白、女性は赤の形代(人型に切った紙)に家族めいめいの干支を記入し、氏子全戸から集め、神前にて形代に書かれた干支を一人一人祈斉します。夕方、御神輿の御旅所である西川橋から鎌倉街道(旧国道137号)の両脇lこ並ぶ氏子ひとりひとりを神宮が献詞を唱えながらお祓いします。このとき不在の氏子は家族がその衣服を持ってお祓いを受けます。産屋ケ崎にて神事の後、氏子の幸せを祈願し、身曽岐は湖に流されます。身曽岐祭は御筒粥の神事とともに特殊神事として古い伝統に基づいて執り行われています。
握灯を持って模祭に参加しましょう
 6月23日、富士山世界遺産登録を祝い、神事および提灯行列が行われ、参加者にLED提灯が受け渡されましだ。今年の禊祭にはこの提灯を灯してお祓いを受けてください。


その他、河口における7月のお祭り
 河口では7月に多くのお祭りが行われます。伝統ある祭りに皆さんで参加しましょう。
 7月15日上町の津島天王神社(おてんのうさん)
 津島天王神社には、天照大神の弟神であるけ建速佐須之男命が祀られ、疫病除けの守護神として崇敬されています。河口での祭日には、神事のほかに旗かつぎもにぎやかに、子供御神輿が午後3時から繰り出します。
 7月20日中町の出雲神社(いずもさん)
 出雲神社の祭神は、大国主命が祀られています。総本社は島根県大社町の出雲大社で、国造りの神、縁結びの神として信仰されています。河口ではお神輿を飾り、祭りを祝います。
 7月25日下町の川戸頭天神神社(おてんじんさん)
 川戸頭天神神社には菅原道真公が祭られています。菅原道翼公と言えば太宰府天満宮ですが、学問の神、厄隙けの神として全国的に信仰されています。
 祭りの日には午後3 時より御神輿と旗かつぎで賑やかに祭事がとり行われます。

富士山世界遺産に登録
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は6 月26日、カンボジアの首都ブノンペンで開催した世界遺産委員会で、日本政府が推薦した「富士山」(山梨、静岡両県)を世界文他遺産に登録されました。富士山は古来、日本の象徴として日本人の山岳信仰や葛飾北斎らの浮世絵の題材にちなり、文化的意義が評価されました。これで日本の世界文化遺産は13件となり、4件の自然遺産と合わせ、日本の世界遺産登録は合計17 件です。
富士山は当初、世界自然遺産として登録を目指したが、後に文化遺産登録を目指す方針に転換し、対象となった「構成資産」は山頂の信仰遺跡群や富士五湖などをきむ25件。正式名称は「富士山一信仰の対象と芸術の源泉」と決まりました。
 河口浅間神社はこの「構成資産」の一つに指定されました。貞観の富士山噴火の鎮火を祈り河口浅間神社が創建された由緒、富士山信仰の行者を支える役割を果たした御師集落、古くから残る神社の神事など、信仰の伝統が今でも受け継がれています。また、世界の芸術にも影留を与えた江戸時代の画家、葛飾北斎「甲州三坂水面」や歌川広重「甲斐御坂越」にみるように、富士山と河口湖の風最が芸術の対象として描かれています。
 世界遺産登録され世界の宝となった富士山と我々の心の拠り所である河口浅間神社、そして河口の集落をより大切に守り、後世に受け継いでいかねばならない思いが高まります。

沼口浅間神社